ゴー宣DOJO

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切通理作
2011.12.9 15:47

親には見せられない内容

いよいよ雑誌「前夜」が発売となりますね。
あと一週間切りました!
私も執筆させて頂いていますが、
親に見せられないようなアダルトな内容です。

「ゴー宣道場に来た人々が
師範の一人として登壇している
切通理作の顔を見て思わずニヤニヤするような
原稿を書いてほしい」
・・・・・・という小林さんからの
依頼だったので、
一番恥になるようなことから
書いてみました。

しかし私も文芸評論家・小谷野敦から、
「女性に土下座してセックスさせてください!
と頼んだ男がいる」と実名で色んなところに
書かれ、それを親に読まれて
呆れられた人間ですので、
いまさら恥も外聞もありません。

小谷野敦は私のことを
「ペンネームではなく実名で
やっていることに心意気を感じる」
と著書で言っていますが、
私を実名とともにさらしものにしているのは
小谷野敦当人なのです。

そんな噂を知った
TBSのラジオ番組『Dig』のパーソナリティである
大根仁さん(映画『モテキ』監督)
が恋愛特集に
その前の週のオウム特集と
二週続けて
私を呼んでくれました。

今度は評論家としてではなく
「土下座でセックスを頼んだ男」
としての出演です。

わずか一週間で知的な存在から
恥的な存在に変わってしまう・・・・・
自分でも目眩がします!

ラジオ番組は
現代の若者は恋愛をしなくなっている・・・・・・・
という調査を受けての特集でした。

一緒に出ていたAV監督のカンパニー松尾さんが、
直接恋愛のことではありませんが。
最近の若い世代と自分たちの違いについて
語っているのが印象的でした。

AVの枠を超えてドキュメンタリー映像の地平を開き、
大根さんや『エヴァンゲリオン』の庵野秀明監督など
多くの映像作家の作品に影響を与えた
松尾さんは、
65年生まれで僕とは一歳違いです。

松尾さんいわく、
僕らの世代は、遊ぶのに自分一人ではなく、
仲間を募らなければならなかった。
メンコにせよ野球にせよそうであると。

けれどゲーム世代になってから、
遊びが個人単位になってきた。

で、ゲームは他者とかかわる時点では
過程ではなく結果がすべてだから、
個人と個人が数字で競う、
非常に「成果主義」的なものになる。

『ドラえもん』ののび太くんのように、
休日は家でのんびり過ごしたくても
ジャイアンが無理やり野球の仲間に入れに
やってくる・・・・・・というプレッシャーから
解放されている。

ある意味自由だけれど、
弱い奴でもメンバーに
入れて、とりあえずゲームが出来る
態勢にしよう・・・・・という縛りがなくなってしまった。

そして松尾さんが仕事で出会う
若いスタッフも
他人から見れば
すごく自己満足的な小さなことで自分の成果を誇る
ような人間が目立つ・・・・というのです

自分の殻を破れず、
出来ることだけで自足し、
そこにたてこもるしかない。

松尾さんはかつてビデオの撮影現場に来た
童貞青年が
「すみません」「すみません」とばかり口走るので、
こう言いました。

「すみませんすみませんって言う必要ないんだよ。
生きてるだけで人に迷惑かけてるんだから。
迷惑かけることをおそれなくていい」

とても印象的な言葉だったと
大根さんは番組で紹介していました。

それを聞いて、私は、
「じゃあ、土下座してセックスして下さいと頼んだのも、
それはそれで過去としてアリだな」
と思ってしまったのですが
・・・・・・やっぱり違いますか!?

切通理作

昭和39年、東京都生まれ。和光大学卒業。文化批評、エッセイを主に手がける。
『宮崎駿の<世界>』(ちくま新書)で第24回サントリー学芸賞受賞。著書に『サンタ服を着た女の子ーときめきクリスマス論』(白水社)、『失恋論』(角川学芸出版)、『山田洋次の<世界>』(ちくま新著)、『ポップカルチャー 若者の世紀』(廣済堂出版)、『特撮黙示録』(太田出版)、『ある朝、セカイは死んでいた』(文藝春秋)、『地球はウルトラマンの星』(ソニー・マガジンズ)、『お前がセカイを殺したいなら』(フィルムアート社)、『怪獣使いと少年 ウルトラマンの作家たち』(宝島社)、『本多猪四郎 無冠の巨匠』『怪獣少年の〈復讐〉~70年代怪獣ブームの光と影』(洋泉社)など。

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